松尾太陽さん(京都大学文学部)、大北全俊准教授(東北大学大学院医学系研究科)の両名が、COVID-19感染症の流行拡大の中で、人権の制約に関する国際的な基準として参照されることの多いシラクサ原則についてわかりやすく紹介する資料を作成しましたので、ここに公開いたします。
(以下、本文より抜粋)
COVID-19をはじめとする新興感染症が社会にもたらした課題の一つに、感染症対策に伴う人権の制約をめぐる問題があります。すなわち、病気の蔓延を防ぐための公衆衛生対策として、感染者・濃厚接触者の隔離や自宅待機、多数の人々が利用する施設の使用制限といった措置が往々にして取られますが 、それらは移動の自由や集会の自由、自由な経済活動といった個人の自由の制限を伴うものです 。自由主義社会において刑事犯以外のものがこのような人権制限を受けるのはきわめて例外的な事態であり 、当然そういった措置の法的妥当性をどのようにして判断すればよいのか、という問題が生じてくるわけです。
本記事では、このような問題について考える際の一つの手がかりとして、人権の制約に関する国際的な基準として参照されることの多いシラクサ原則 について紹介します。まずはじめにシラクサ原則とはどのような性質の文言であるのか、その沿革および内容について簡潔に整理し、つづいて特に重要だと思われるいくつかの点について取り上げていきます。
資料は以下よりご覧いただけます。
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