英国NHSのPCR検査の実際

 以下は、英国ブリストル大学で博士課程に在学中の濱島ゆり氏がNHSのPCR検査を2020年9月に2回受けた際の体験記です。ご関心のある方は参考にしていただけますと幸いです。
個人的な体験談で恐縮なのですが、NHSのPCR検査を先月2回受けることになったので、簡単ではありますが報告させていただきます。自覚症状はなかったのですが、先月不運にもGPの入り口の体温検査で2週間開けた異なる日に2回引っ掛かってしまい、2回ともPCR検査を受けました。原則的にCovid-19の症状を1つでも発症した場合には、NHSの検査対象となります(https://www.nhs.uk/conditions/coronavirus-covid-19/testing-and-tracing/get-a-test-to-check-if-you-have-coronavirus/)。上記のサイトから検査の申し込みをしました。
形式は在宅、ドライブ・スルー、ウォーク・インのいずれかになりますが、1度目は自宅で、2度目はウォーク・インのテスト・センターでした。
車を運転できる方だと、基本的にドライブ・スルーの選択肢を提示されるようですが、先月の時点では100マイル以上先のテスト・センターを紹介されるなどの問題が良く取りざたされていました。実際私が在宅検査キットを申し込んだ際にも、在庫がすぐになくなってしまうため、こまめにアクセスし5、6回目にしてようやく注文ができました。
この検査申し込みの際、個人認証のために信用情報が利用されています。信用情報に問題がある人や情報のない人が検査キットにアクセスできないのではという指摘も見かけました(https://www.london.gov.uk/press-releases/assembly/credit-checks-stopping-londoners-getting-tests) 。

検査キットは翌日アマゾンを介して配達されました。現在NHSで展開されているPCR検査は口腔咽頭と鼻腔の検体を用いたもので、この2か所ををぬぐった綿棒を固定液の入ったチューブに差し入れ提出します。丁寧なガイダンスはついていたのですが、口腔咽頭の検体をとるのは、お子さんやご高齢の方ではかなり難しいのではと思いました。回収は、地元の郵便局ポストを介して行われていました。回収時間と場所はウェブサイトで確認できます。ポストのうち片側のボックスが検査キット回収用に使われていました。夕方に提出し、結果はe-mailとSMSで翌日午後に届きました。

2回目に行ったウォーク・イン・センターは、街の中心部にあるブリストル大学音楽部の駐車場に設置されていました。検査を受けるように朝指示されてから、同日の夕方に予約が取れました。中の写真は撮れなかったのですが、テントの中に6つほどビニールで仕切られたブースがあり(通路に面した側は開放)、サンプルは(結局)在宅キットと同様に自己採取します。ブース内には手鏡と消毒用ワイプが設置してありました。サンプルを回収箱に提出して終了です。結果は、この時は三日後に届きました。個人的にあまり衛生的な印象を受けなかったので、もし選択できる場合は在宅検査キットの方がいいかもしれません。
私は上記の2回ともNHSのウェブサイトから検査の申し込みをしましたが、政府の外部委託で運営されている追跡アプリNHS Covid-19からも有症状等の場合、検査を申し込めます。アプリ経由で注文した検査結果はそのままアプリ内に反映されます。一方、NHSのウェブサイトから申し込んだ場合には、情報が直接共有されません。このため、私は受け取った検査結果(どちらも陰性)を、このアプリに自分で打ち込んで登録しました。
ちなみにブリストル大学では、先月末からNHSとは別に民間のPCR検査も有症状の学生や教職員向けに行えるようにしています(ただしその家族は対象外)。英国の多くの大学同様、現在寮で600人以上の感染者を出してしまっていて、そういった学生さんや接触のあった学生・教職員は、大学のサービスを利用しているようです。

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